「スープの濃さと麺の種類を選べ(迫真)」やまざき屋 黒とんとん


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この店には以前に1度来ている。
確か4年ほど前のことだ。
だがこのブログに記事を書いていない。
なぜなのか?
どうしても思い出せない。
だからもう一度、食べにきた。
当時の俺に一体何が起こったのか、
確かめたくなったんだ。

やまざき屋 黒とんとん

テーブル席はすべて埋まっている。
カウンター席にも先客1人。
十分流行っていると言える客入りだ。
先客と1席空けて手前のカウンター席に掛けた。

縦開きのメニュー。
初訪問だった4年前の俺は、
基本の「山とんとん」を選んだはずだ。
記憶を辿る目的から外れるが、
同じ品を頼むのもポリシーに反するため、
今回は黒マー油味の「黒とんとん」を注文した。

他のこまかな注文はすべて直感で選択。
トッピング「チャーシュー」
麺の硬さ「かた」
スープ「こってり」
ねぎ「多め」

麺の種類「中太ちぢれ麺A」

店員に注文を伝えた直後、
フラッシュバックが起きた。
買ったばかりのショルダーバッグを肩に掛け、
カウンター席の一番奥、厨房に近い席。
目の前に置かれたラーメンとチャーハン。
いざと蓮華でスープを掬った所で、
プツリと映像は途切れた。
思わず隣の客を見る。
どんな味がした?感想は?

思い出せない。

3分足らずで着丼。

ん? ねぎ多め?

ともかくアートのようなマー油を、
ベースの豚骨スープと混ぜて啜ってみる。

はて、これが“こってり”なのか?

意外にサラリとして淡白。
獣っぽさはなく旨味もなく、
むしろ“あっさり”に感じるのだが、
他店の特別濃厚な豚骨味に慣れすぎたか。
ともかくキレのあるスープには違いないが、
厚みに欠け、“こってり”とは言い難い。

続いて麺を啜った俺に稲妻が落ち、
4年前の俺と完全に“同期シンクロ”した。

これか!と。

“答え”は麺とスープの相性。
それが絶望的に合っていない。
下手なCG合成映像でも観るような、
キリリとスーツ姿にスニーカーみたいな、
得も言われぬ違和感、不自然さ。
麺が「かた」の所為かとも思ったが、
それを抜きにしても馴染む気がしない。

うまい、まずいではなく、“ちがう” 。

麺が悪いわけではない。
しかし俺がこの麺に合わせたいのは、
少なくともこの豚骨スープではない。
もっともったりとした、
たとえば味噌バター味に浸したい。

これら一連のことをうまく文章にできない、
そして、ブログで紹介する必要性と費用対効果。
これが、4年前の俺が、
記事に書き起こさなかった理由だ。
フワリと目の前のもやが晴れた気がした。

ここへ来た目的の半分は達成した。
あとはこのラーメンをいかに楽しむか。

まず麺を替えなければならない。
勢い良く「中太ちぢれ麺A」を完食し、

替え玉に「中太ちぢれ麺B」を、

硬さ「ふつう」で注文。
しかしこれが大誤算だった。

素早く提供された「麺B」を摘まみ上げ、
一抹の嫌な予感を拭いながら啜り、
カラリと箸を落とした。

「麺A」以上に“ちがう” 。
しかも驚くほど固茹でカッチカチ。

どうしてこうなる……。
スープに浸るたっぷりの麺量に絶句する。

麺とスープの隙間を、
何かで補えるかも知れない。何かで──
そう考えた俺は、にんにく、胡椒、すりゴマ、
卓上の味変アイテムを次々と投下するが、
その溝はまるで埋まらないまま、

硬い麺がテトリスの如く胃袋に溜まる。

もう替え玉できる余裕は無いが、
そうか、細麺だ。
細麺が正解だ。
きっとそう ──(ガクリ)

【お店】やまざき屋
【メニュー】黒とんとん
【味】なんとはない豚骨
【雰囲気】洒落たウッディなロッジ風
【私のおすすめ度】B

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★私のおすすめ度格付(僭越ながら)
AAA 大満足!絶対おすすめ
AA 満足!超おすすめ
A おすすめ
B 可もなく不可もなく
C 人によってはおすすめしない
D おすすめしない

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