「まこと紛うことなき旨辛」
チリレンゲ
麻婆豆腐ランチ


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まず供されるのはジャスミン茶。水ではなくジャスミン茶。鼻づまりがスカッと解消しそうな爽やかな香り。麻婆豆腐との組み合わせはよくあるけれど、なぜジャスミン茶なのだろう。ハーブのリラックス効果か、食後の口臭対策か、それとも粘膜を落ち着ける効果があるとか。だがすでに“土俵”に上がった俺にとって、それはもはや些末な問いだった。

到着した麻婆豆腐は、これまた鼻づまりがスカッと解消しそうな刺激的な香り。これが中華の“リアル”か。待っている間にホワイトバランスを調整したPhotoProで手早く写真を撮り早速いただく。合掌。

粒の歯応えをしっかり感じるそぼろ肉。噛めば塩気と旨味がにじみ出し、オイこれ大丈夫なのかと思うほど唾液を分泌させる。同時に“辣”の辛さが押し寄せる。カーッと灼けるような刺激が脳を“再起動”させ、全身の穴という穴を開かせる。さらにピリリと舌を痺れさせる花椒。舌と上顎の粘膜を刺すような刺激が、快感と興奮を増幅し心拍を“加速”させる。やがて、“辣”と“椒”ふたつの辛さを越えて再び旨味が訪れる。ひと口ごとに繰り返すその“旨味の円環”は、まるで夜空に浮かぶ月のように、ひっそりと、優しく、皿の上の“世界麻婆豆腐”を照らし出す。「おかえり──」目を閉じてより深く味わえば自然と言葉が漏れ、隣客の冷たい視線が頬を刺す。

2/3ほど食べたあたりから汗が噴き出し、目は血走り、鼻息荒く、口はうわ言を呟き始める。それでもこの手に握った白きレンゲを、まるで恐れを知らぬ戦士のように、休まず、繰り返し、“灼熱の紅蓮”へと投じていく。たとえこの胃が灼けようとも、たとえこの奈落おしりに危機が迫ろうとも、俺は“掬い”続ける。皿の上が再び“無”に還るその瞬間まで。いまここに在る“世界麻婆豆腐”を“掬う”のに、理由なんて必要ない。ご馳走様々。

【お店】チリレンゲ
【アクセス】阿波座駅から徒歩7分
【メニュー】麻婆豆腐ランチ 950円
【味】辛さの果てに旨味あり
【雰囲気】活気あり
【私のおすすめ度】AA

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★私のおすすめ度格付(僭越ながら)
AAA 大満足!絶対おすすめ
AA 満足!超おすすめ
A おすすめ
B 可もなく不可もなく
C 人によってはおすすめしない
D おすすめしない

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