「モ〜烈旨辛!」
四川麻辣牛肉麺


店頭の電光看板にはご丁寧にカタカナで読み仮名が振ってある。シセン マーラ ギュウニク メン。中華好きの心を揺さぶる単語の並びは満貫だ。GoogleMapによると13時から開店とあってその時間に到着したが、最近は12時から開けているらしい。立て看板は脇に寄せてあり、暖簾なども出てないため一見開いてないように見えるが、実は営業している。

扉を入って左手の壁向こうが厨房で、窓から互いが見えるようになっている。奥に向かって縦長の店内に先客はまばら。中央の薄暗い客席スペースを抜けた先にはテラスのようなエリアがある。道頓堀に面した窓は開かれ、ミナミの雑踏とともに日光と春風が注いで心地良い。

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四川麻辣牛肉麺の煮卵入りで税込1,300円。10分弱で着丼。決して美しいとは言えない丼面は、茶色く無愛想で無骨。しかし一見粗雑に見えながら、麺も含めたすべての具材がスープ表面から出て見える盛り付けの工夫が図られている。

スープをすすると、ムチャクチャ味が濃い。こんなもの毎日口にしたら早死にするだろうと肝を冷やすほど、えげつない味の濃さ。しかしそれが、うまい。あとから思い出しても唾が出てくる濃味旨辛スープ。商品名には「麻辣」とあるが、痺れる辛さ「麻(マー)」は控えめで、唐辛子のピリピリした辛さ「辣(ラー)」が強め。じわじわと喉から腹にかけて熱を帯び、頭から汗が噴き出してくる。とは言え、辛いものが好きで食べ慣れている人ならば難なく食べられる水準。

牛肉はかなり煮込んであるのか、とても柔らかい。見た目に脂や筋っぽい片があるが、とろける食感なので心配無用。肉からにじみ出る甘辛い旨味と、隣の高菜の塩気と香味の相乗効果によって無性に白飯が恋しくなる。丼面で奥にワンタンのように見えていた白いものが“麺”で、平たい楕円状のもちもち生地。結構な数が入っていて、どんどん腹に溜まっていく。

麻薬めいた猛烈な旨味が、スープを掬うレンゲを止められない。総じて満足度の高い一杯だったと言える。汗だくフィニッシュで、ご馳走様々。

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