


阪神野田駅の高架下、誰も通らないアプラの中通りの、2〜3年おきに中身が入れ替わる一画に居抜きで入ったチェーン店。運営会社は手打ちうどんの杵屋、蕎麦屋のそじ坊、和食の丼丼亭などの飲食店を全国的に展開するグルメ杵屋レストラン。おらが蕎麦は、シンプル&リーズナブル路線の蕎麦屋だ。
昼を過ぎた頃の空いた店内、カウンター席の手前から3番目に掛けた。まるで飲み水かのように、“そば湯”と書いたシールを貼られたポットが置いてある。注文はカツ丼定食。そばは温冷が選べる。そば大盛り(1.5人前)でもお値段そのままです、と言って笑顔を作る店員に対し、では、と言って笑顔を返す。
飲み水が妙にうまい。何らかの浄水システムなのか、そもそも野田の水がうまいのか。いずれにせよ大事な事だ。注文から3分でサーブ。早い。
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水切りがよく出来ていなくてビチョビチョの蕎麦。箸で持ち上げ、しばらく水滴を垂らしてからつゆに浸けていただくので、少々面倒くさい。蕎麦粉の香りは感じないが、やや硬めのシコシコ食感で啜り心地が良い。麺量は大盛りにして丁度良い。つけつゆは甘い。わさびがそれなりに盛られてあるが、全量を溶いても大して辛くない。折角のそば湯ポットだが、割って飲む気にはならなかった。
カツ丼の味つけも甘め。カツはマクドナルドのチキンナゲットのように小振りだが、柔らかい。ご飯に染みるつゆは少なめ。このつゆでビタビタのつゆだくにすると、甘党でなければ食えなくなるだろうから、懸命な判断と言える。
チェーン店で、890円で食べられる定食ならこのくらいのクオリティで然るべき。むしろボリュームに関しては十分だろう。俗に言う「こういうのでいいんだよ」という分類。以前の麻婆豆腐屋より使い勝手が良さそうなので、今度こそ長く続いてもらえるといいと思うが、何せ、立地というか、アプラというモールの導線が良くない。目に留まりづらい駅下の中通りにぽつんと一軒屋なので、そこに店があることを客が記憶していなければいけないというのは、よほど有名店でもない限り相当に分が悪い。東側の改札下、西側の交差点に立て看板でも出せればまた違うのだろうけれども。

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