「だってなんだか だってだってなんだめん」らーめんstyle JUNK STORY 塩のキラメキ


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妻と子らのいない週末
空きっ腹をさする千日前通り
ありったけのお小遣い
カネ
をかき集め
捜し物を探しに谷町九丁目

目に映る建物は彩りを欠き
道に人影は無かった
元来さびれた街なのか
世間を震わす新型コロナへの寒心か
マスクの縁から漏れる呼気で眼鏡が曇った
太陽みたいに笑う きみはどこだい

蛇腹
ジャバラ
のビニールカーテンを開けると
縦に細長い店内は賑わっていた
この暗い世情にあって
ようやく人の生動に触れて安堵した
奥のカウンターにたった1つの空き席
泣いてる場合じゃない
ワクワクを100倍にして
パーティーの主役になった

トタンの波板を打ち付けた壁に
所狭しと貼られたサイン色紙
品書き、ポスターなど
そして妙に綺麗な木製のカウンター机が
アンバランスなkissを交わして
愛に近づいた

さて、美しく整えられた丼面
丁寧な仕事に言い知れぬ品性を感じ
この一杯にかける店主の誠実さを見た
思わず撮りたくなるような moonlight
思考回路はショート寸前だった

透き通る貝出汁は芳醇
塩気は穏やか、旨味は確か
表面に浮く油分はたっぷりなのに
しつこさは無く輪郭は軽やかでクリア
JUNK STORY
スープは脳天を駆けた
選ばれた申し子のように

パツパツでピロピロの平打ち麺
喉越しがよく滑らか
ほのかなクリーミーさが鼻に抜け
細いシルエットに得も言われぬ弾力
麺が好きだと叫びたい
勇気で踏み出した

柚子香るやわらかな鶏むね肉と
香ばしく炙った鶏もも肉
きざみねぎ
メンマに三ツ葉
最小限で最大のパフォーマンス
これで……いや、これがいいのだ
ほとばしる熱いパトスと
この鉢を抱いて輝く 中年は神話になった

圧倒的な完成度──
はじめは高いと感じた950円の一杯に
やがて見出した価格以上の価値
いつしか夢中になっていた
JUNK STORY
JUNK STORY
この星の無数の麺のひとつだと
このとき僕には理解できなかった

ご馳走様々

【お店】らーめんstyle JUNK STORY
【アクセス】谷町九丁目駅から徒歩3分
【メニュー】塩のキラメキ 950円
【味】完全無欠の塩ラーメン
【雰囲気】狭くてぼろい
【私のおすすめ度】AAA

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★私のおすすめ度格付(僭越ながら)
AAA 大満足!絶対おすすめ店
AA 満足!超おすすめ店
A おすすめ店
B 可もなく不可もなく
C 人によってはおすすめしない
D おすすめしない

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