「スパイスカレーを食す。それもまた人生を彩るスパイスのひとつなんだ。」コロンビアエイト 上本町店 キーマカレー


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黒板のメニュー

スキンヘッドに屈託のない笑顔がまぶしい店主。かの世界的サッカー審判員ピエルルイジ・コッリーナ氏を彷彿させる。

薄暗く狭い厨房に立ち、一皿のカレーライスに向かい、あれとこれと、それもこれも、という具合に手際よく次から次へとスパイスを振りかけまくる。そんなに振りかけたら粉だらけになりまっせと思いながら眺め、やがて目の前に差し出されたカレーは、まさに粉だらけだ。

コロンビアエイト 上本町店
キーマカレー

まるで花火

すぐに連想されたのは点描曼荼羅、それから、ゴッホ、山下清。幾種類ものスパイスが派手に振り散らされた様は、さながら大輪の花火。

キーマカレーといえば粘度の高い挽き肉のルウで、ジャージャン麺のカレー版というイメージだった。ここのキーマはさらさらのルウで、所謂スパイスカレーのそれだ。ルウに挽き肉が沈んでいて、そこがキーマの所以らしい。

「唐辛子をかじりながらどうぞ」店主の太陽のごとき笑顔に照らされ、こちらも思わず破顔する。

ルウに浸したライスを口に含めば、怒涛のごときスパイスを感じられる。そりゃそうだ、ご飯とルウにふんだんにまぶされた粉はすべて何らかの香辛料だろう。粉っぽさが喉に引っかかったら嫌だなと思ったが、そんなことはなかった。このスパイスの挽き加減や配合も “仕事” なんだろう。

サフランライス

口に入れてすぐ感じる突発的な辛さはライト。一方、肚の底からじわじわくる熱は顕著。したたかな刺激が全身を活性させ、毛穴を開かせる。スパイスの多重奏はひとつひとつに分解出来ないほど複雑に織り重なっていて、ひとくくりに「美味い」としか、私には表現の仕様がない。

今日私は、カレーライス味わいに来たのではない、スパイスを楽しみに来たのだ!左手に唐辛子のヘタを摘まんだまま、皿の縁のスパイスをスプーンで掻き集めながら、心の内でそう呟く。

「辛さは大丈夫でしたか?」
「ちょうど良かったです」
「それは良かったです」
「美味しかった。また来ます」
「有難うございます!お待ちしてます」

店主の満面の笑みに照らされながら、店を出る足取りは軽い。さあ快活な午後がはじまる。ご馳走様々。

外観

【お店】コロンビアエイト 上本町店
【アクセス】大阪上本町駅から徒歩5分
【メニュー】キーマカレー 900円
【味】複雑かつ秀逸
【雰囲気】薄暗い場末のバー的な
【私のおすすめ度】AA

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★私のおすすめ度格付(僭越ながら)
AAA 大満足!絶対おすすめ店
AA 満足!超おすすめ店
A おすすめ店
B 可もなく不可もなく
C 人によってはおすすめしない
D おすすめしない

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