「未知のさぬき」
さぬきうどんのたぬき
明日香美人 かやくごはんセット


-- スポンサーリンク --

妻の居ない休日の昼、チビッコ2人を連れ「さぬきうどんのたぬき」でうどんをいただくことにしました。正午より少し早い11:30の入店にも関わらず6組待ちで、狭い店内の壁際には待ち客がひしめいて居ました。2卓しかないテーブル席は待ってもなかなか空きそうになく、座れても落ち着かない気がしましたから、子供用の高いイスをひとつ差してもらってカウンターに横並びで掛けました。

“明日香美人”を大盛りで注文。麺の上に揚げ、わかめ、温泉玉子とねぎが乗った温かいうどんです。“ちく玉ぶっかけ”は普通盛りで。こちらは半分に切ったちくわの天麩羅、わかめ、温泉玉子と大根おろしが乗った冷たいうどんです。いずれもかやくごはんのセットにしました。

大盛りの明日香美人は随分と大きめな半球状の器に注がれていて、実にたっぷりと豊か。見るからにふっくらとやわらかな揚げが羽毛布団のように丼面の3/4を包み込んであり、箸で摘まみ上げればその厚みと餅のような伸びに驚かされました。

麺は細めで、歯の上でプツリと切れるタイプです。「うどんのコシ」を「弾力や粘り」と定義するならば、このうどんにコシはありません。さぬきと聞いてモチモチ食感を期待し、またそれが好きである私は、あるいは蕎麦のようにハードな麺の食感に肩透かしを喰らった格好。かつて香川県でうどん屋巡りをした経験を顧みてもこの食感には覚えがなく、ここ奈良県において新しいさぬきうどんを発見した不思議であるようです。

特筆すべきはうどんつゆの出来。いりこと鰹から引いた魚介系の出汁が、じわっと舌に染み入る旨味をふんだんに含んで絶品です。甘い揚げがそのつゆをスポンジの如く吸い込み、一層の美味しさを加えて口内へあふれさせます。子供達もこの優しいつゆがお気に召したようで、プラスチックの小さな碗に口をつけて、都度飲み干してからおかわりを訴えるほど。老若男女、時や場合を問わず舌鼓に届く出来映えでした。

-- スポンサーリンク --

ぶっかけの方も同じ麺ですが、こちらは茹でたあと冷やしてあります。冷やしてあると言っても氷水で締めたのではなく、常温の水でゆすいだ感じです。濃すぎず美味しいだし醤油をぶっかけていただく。温泉玉子のお蔭もあってまろやかな味わいですが、こういう冷やしたうどんにこそ、モチモチと弾力があって欲しいものだと悔やまれました。

かやくごはんも素朴な味わい。炊き込まれた具材、とりわけきざみ揚げが適度な油分と旨味で米粒をコーティングし、ほっこりほぐれるような噛み心地と、しみ出る美味しさを成しているのだろうと推察します。

総評すると、確かに上品な味がおいしいうどん屋ではありますが、さぬきうどんに対する個人的な「コシのあるイメージ」との大きな乖離がネガティブな印象を残しました。一方、温かいつゆと、大きな揚げと、かやくごはんについては確かに瞠目に値しますが、いかんせん私がうどん屋に赴く目的はうどんそのものと言わざるを得ず、その点で惜しいと思いました。ご馳走様々。

【お店】さぬきうどんのたぬき
【アクセス】
https://maps.app.goo.gl/kPJUmDpJJUyaFzcA6
【メニュー】明日香美人 かやくごはんセット
【味】つゆの質が素晴らしい
【雰囲気】活気はあるが過密
【私のおすすめ度】A

★私のおすすめ度格付(僭越ながら)
AAA 大満足!絶対おすすめ
AA 満足!超おすすめ
A おすすめ
B 可もなく不可もなく
C 人によってはおすすめしない
D おすすめしない

-- スポンサーリンク --