日常の隣に息づく『桃色の聖域』
鶴橋らーめん食堂 鶴心 あびこ店


諸用で大阪住吉区へ。近くで唐揚げを出す店を検索してヒットした鶴橋らーめん食堂 鶴心。大阪メトロあびこ駅を出てすぐの好立地。20年前には影も形も無かった店だ。暖簾代わりに入り口に引っ掛けられたユニフォームから察しがついたが、扉を開ければピンク一色の尋常ならぬ雰囲気。プロサッカークラブ、セレッソ大阪のサポーターが集まる店らしい。サッカーの試合が流れるテレビ前の箱席は空いているが、貸切席とのことで移動を促された。

一番搾りの中ジョッキが510円となかなか強気価格。サポーターならばサッカーの試合を観戦しながら飲むビールに糸目はつけずと言った所か。と言いつつ私も3杯空けてしまった。最後の1杯は言わばアディショナルタイムの1点といったニュアンスだが、それは後述する。

メニューはラーメンと唐揚げと焼き飯。唐揚げの見出しには「Jリーグスタジアムグルメ大賞受賞!」と書いてあり、出張もやっているようだ。揚げたままの唐揚げに加え、50円の追加料金でおろし油淋、からマヨ、サルサなど7種のソースを掛けられる。なお、唐揚げ以外にツマミになる品はない。

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唐揚げ。おろし油淋ソースの6個入り。粒は小さめ。片栗粉のためか衣がサクサクしている。特にまずくもないが、美味しくもない。評判の良さはスタジアムで食べるが故か。それにしても油淋ソースは余計な味付けだった。失敗だ。一応唐揚げそのものの味も確かめるべくプレーンの3個を追加で注文。しかし結局、どうということはなかった。

焼き飯。しっとり、もといベッチョリ系だが、過去に外食した同系統の焼き飯で1、2を争うまずさ。店を貶める意図はないが素直な感想として、冷凍食品でももっと美味しいものがある。米が良くない。油を吸いすぎている。味の濃さが相まって後口の気持ち悪さを有する。これを流し込むには水では弱く、ビールを追加注文せざるを得なかったのだった。

後から入ってきた客も、食べ終わって席を立つ先客も、目が合うと微笑んで会釈をしてくる。これは我々も「お仲間」と見られているらしい。もちろん悪い気はしないし、温かみがあって良いことだと理解する一方で、背筋の冷える感覚も否定できない。ホールに立つ店主も、客同士も、サッカーの試合やチームに関する会話に花を咲かせている。サッカーについては唐揚げに添えられたキャベツよりも関心がない私は、ピンクの色彩が支配するユートピアに迷い込んだ感覚を覚えた。

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