「レトロ空間で上品なおランチ」
あべのカツサンドパーラーロマン亭
ヘレカツサンドとタマゴサンド


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●目次
・天王寺駅周辺について
・あべのハルカス地下にて
・大正レトロな店内
・謎の緑ジュース
・カツサンドについて
・タマゴサンドについて

●天王寺駅周辺について
 JR環状線は天王寺駅のホームに降り立ってから、線路と道路の間を縫うようにせせこましい通路を上がったり下がったりして、今日の待ち合わせ場所“あべのカツサンドパーラーロマン亭”へ向かう。
 地図上では目前なのに、そこへ辿り着くためにあちらへこちらへと迷路のように歩かされる。こういうところを大阪らしいと思う。渡れない通りや抜けられない建物がドカドカッと街を形作っていて、それらを迂回する通路や高架がゴチャゴチャと足されている。せっかちな大阪人の気質と相反するような構造に、特有の文化を感じる。
 ひろしとの待ち合わせにはまだ少し時間があるから、天王寺という街を少し見て歩くことにした。

●あべのハルカス地下にて
 あべのハルカスの中央エスカレーターで地下2階へ下りてから路頭に迷った。右も左も同じ景色で、店内マップも見当たらない。百貨店の売場というものは綺羅びやかだが、造りの同じカウンターが延々並び、その内に立つ店員もクローン人間のように見えて、まるで迷宮に感じる。
 人混みの中を歩き回って辿り着いた南東の隅っこに、件のロマン亭を見つけた。イートインの入り口は百貨店の外側にあるから、一旦東出口から出て回り込まねばならない。店の真横に大きな店内マップが貼ってあって閉口した。
 ひろしは10分程あとにやってきて、私と同じく地下売場で迷子になっていたらしく「ややこしい」とボヤいた。

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●大正レトロな店内
 店内はレトロな内装と調度品であしらわれている。手入れされたそれらは真新しく見えて、大正時代を舞台にした朝ドラのセットみたいだと思った。
 片付けられたばかりのテーブルに案内され、ひろしに勧められるまま奥のソファ席に掛けた。予め注文は決めてあったが、一応作法のようにメニューを開いてから店員を呼ぶ。
「ヘレカツとタマゴのハーフ&ハーフ、冷コーで」なんて通ぶって注文すると、ひろしがプススと吹き出した。本当は熱いコーヒーを飲みたかったが「冷コー」と言いたい気持ちには勝てなかった。冷コー言いたいだけか、と流石に気心知れたツッコミを喰らった。

●謎の緑ジュース
 金をあしらった大きな皿の真ん中に、カツサンドとタマゴサンドが風車の様に配置されている。その脇に緑の液体が半分ほど入った小さなグラスが置いてある。
 この緑のは何々ですと店員が教えてくれたが、聞いた3秒後にはふたりともすっかり忘れてしまった。店員が去ってから、これ何やって、わからん、何にせよ飲むものやろうと各々一気に呷って確かめた。しかしその味も、飲んだ3秒後にはふたりともすっかり忘れてしまった。何やこれ、わからん、と各々首を傾げた。オシャレな味の何かしらのジュースだったと思うが、いまや美味しいとも不味いとも分からない。

●カツサンドについて
 カツサンドを持ち上げてみると軽い。横から見ると顔文字に使われる全称記号(∀)みたいなヒレカツが、断面を上にしてパンの上端に引っ掛かっている。細長いヒレ肉を半分に切るとこうなるのは解るが、セブンイレ某の詐欺サンドイッチが脳裏を過って気分が下がる。
 半分ほどを一口に齧ってみると、柔らかい肉質!カリカリとした衣の食感。断面にたっぷり塗られた、甘さのあるドミグラスソース。美味しい。2度、3度と噛みしめるとさらに旨味が滲み出てきた。

●タマゴサンドについて
 タマゴサンドは薄いパンとタマゴサラダを交互に4層重ねたミルフィーユ。層を横にして齧ると真ん中の層が反対側に押し出されたから、ふたくちめからは大口を開けて縦に噛んだ。
 ほんのりまろやかなマヨネーズ味。岩塩をかけても美味しいという店員の助言を実行してみると、確かに味が引き締まって、旨味がグッと増して感じられた。スイカに塩をかけて食べるのを思い出した。
 食感といい味わいといい、“あべのタマゴサンドパーラーロマン亭”に改称したほうがいいんじゃないかと思うほど、タマゴサンドの出来は上々だった。

【お店】あべのカツサンドパーラーロマン亭
【アクセス】あべのハルカス地下2階南東角
【メニュー】ハーフ&ハーフセット ドリンクセットA 1,000円
【私のおすすめ度】A

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★私のおすすめ度格付(僭越ながら)
AAA 大満足!絶対おすすめ
AA 満足!超おすすめ
A おすすめ
B 可もなく不可もなく
C 人によってはおすすめしない
D おすすめしない

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