「雰囲気一番、味二番」ココチキッチン 奈良狐井 ココチコース


「先付け」
豆乳のパンナコッタ
フルーツトマトとバジルのマリネ

期待感を醸成する凛とした形貌。
小さな匙でちまちま掬わせる焦らしの妙。
酸味は然り、意外なしょっぱさの追随。

「前菜」

趣向を凝らした8種の雅は、
質朴な先付けからの飛躍。
目に留まった品から心向くまま、次々と。

鶏のレバームース

臭み無き濃厚ムースの上品至極。
ラスクの軽さとの好コントラスト。
食用花のシソ風味が、誘う哀愁。

バルバリー産 鴨とオレンジ

鴨の旨味を引き立てるオレンジピールの爽。
弾力がもたらす咀嚼の悦。
なおバルバリーは産地ではなく品種。

手違いで運ばれた献立違いのパスタを断り、
あれもあれでと顧みる暫しの間に、
欲にまかせたパンの完食。
この大罪が、後に苦悶を招く。

「パスタ」
牛煮込みとポルチーニのミートソース

生パスタにねっとり絡み付く妖艶。
柔き牛肉を律する柑橘の調べ。
濃密な塩気と油分が紡ぎ出す方程式。
導かれる解はひとつ

 パン食べたい ───

“パンのおかわり300円”なる破戒への躊躇ためらい。
存在の忘却に努め、冷水を飲み干し、
振りほどく酵母の呪縛。
罪を憎んでパンを憎まず。

「メイン」
フィレ肉のポワレ

さながら蒸し焼きの綿雲。
なまくらのナイフにて、千切る勇敢。
塩胡椒に重なるエシャロットの懐に抱かれ、
るべくて蘇る“あの食品”への渇望。

 嗚呼、無パンレ・ミゼラブル ───

切たる慕情を虚空に投げ、
主無き皿に差し向ける諸刃の賊心。
澄み渡る蒼穹は眩しく、揺れる草木はしずかな、
素晴らしきこの世界が見せた不完全。
生と死、光と闇、善と悪。
万象の狭間に墜ちて、
時が速さを失し、
音は集束する。

無が暴走する絶望の淵。

近づく銀の手車、車輪の振動。

夢をうつつに引き戻すのは、囁く幻聴。

“なら、お菓子を食べればいいじゃない”

「デザートワゴン」

給仕が皿に並べる6品の甘味。
ヨーグルトムースが想起させる青春。
ベリーのレモングラッセに垣間見える矜持。
締め括る香り善き珈琲。

美味の賞賛、値段との相応。
古民家が醸し出す風情と、
穏やかで柔和な接客。
次があるなら妻と一緒に。
ご馳走様々。

【お店】ココチキッチン 奈良狐井
【アクセス】近鉄下田駅から徒歩15分
【メニュー】ココチコース 2,750円
【味】パスタと肉がしょっぱめ
【雰囲気】とても良い
【私のおすすめ度】A

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★私のおすすめ度格付(僭越ながら)
AAA 大満足!絶対おすすめ
AA 満足!超おすすめ
A おすすめ
B 可もなく不可もなく
C 人によってはおすすめしない
D おすすめしない

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